私が未だ読んでいる数少ない漫画【ONE PIECE】
最新の巻九十四が10月4日に発売された。今月もすっかりその事(新刊が出る月)を忘れており、
台風の前に食料を買い込みにいったセブンイレブンで発見w 購入した。
ようやく先日読み終えたので巻九十四を読んだ感想、判明点、疑問点色々と書いてみたい。
当然、しっかりネタバレしてますので要注意ですm(_ _)m
【巻九十四〝兵(つわもの)どもが夢〟】
巻九十四のざっくりあらすじ
人造悪魔の実が何故〝SMILE〟と名付けられたか。その理由が語られる。おトコは倒れた父
康イエにガマの油を塗ろうと刑場に入りオロチに発見されてしまう。小紫を手に掛ける原因になった
おトコを撃ち殺そうとするオロチ。しかしその前にゾロ十郎とサン五郎の二人が立ちふさがる。
ゾロ十郎は狂死郎に、サン五郎はドレークに止められ康イエの亡骸はフラの助が刑場から拐う。
その頃兎丼では人斬り鎌ぞうとキッドが囚われ投獄される。鎌ぞうはキッドの相棒、キラーだった。
ルフィ太郎の処刑に二人を巻き込むクイーン。怒るルフィ太郎。しかしそこにおリンが到着する。
花の都の刑場では麦わらの一味とオロチの配下が乱闘騒ぎになっていた。一方ローはホーキンスに
仲間を人質に取られる。また錦えもんはアシュラ童子に土下座をもって参戦を依頼していた。
その頃兎丼ではキレたクイーンが能力を現しブラキオサウルスに変身、おリンに戦いを挑むが・・・。
おリンことビッグ・マムに挑むも2撃で沈むクイーン。同時に雷ぞうとカリブーによってワノ国の
通信手段が障害を起こす。お汁粉を食べた犯人がルフィ太郎だと知ったおリンは激怒。
ルフィ太郎はヒョウじいと自身の首輪を武装色の覇気で破壊。迫りくるおリンにもその覇気で
対抗しようとする。
必死の状況で発揮した覇気故にやり方がわからず吹き飛ばされ壁にめり込む二人。ルフィ
太郎を追って兎丼中を暴れまわるおリンに意識を取り戻したクイーンは渾身の一撃を放つが
その一撃で記憶を取り戻したビッグ・マムは何故かその場で眠ってしまう。千載一遇の機会に
ルフィ太郎の存在を忘れ、クイーンは海楼石で封じたおリンを連れて兎丼を去っていく。
クイーンが去った兎丼ではルフィ太郎が暴れようとしていた。だが、オロチとカイドウに支配され
心を折られた囚人たちはルフィ太郎を抑えようとする。牢屋から解き放たれた赤鞘九人男の一人、
河童の河松とルフィ太郎救出に来ていたお菊はヒョウじいに言われてその正体を明かす。
疫災弾・ミイラで囚人を脅し反逆者を倒そうとする看守達。自らその奇病に触れたルフィ太郎は、奇病
ミイラに侵されながらも〝俺たちはカイドウに勝ちに来た〟と宣言する。疫災散弾で全てを葬ろうと
した看守長ババヌキはルフィ太郎に倒され、心を取り戻した侍たちは看守たちに反逆する。
ルフィ太郎がカイドウと同じ海賊と知り動揺する一同だがその前に姿を現したモモの助に真実を聞く。
河松は一旦単独行動し、錦えもんは九里で20年間の出来事をアシュラから聞く。ゾロ十郎は日和を
守りつつトノヤスの仇討ちを誓う。その頃ローは仲間と引き換えにホーキンスに捕らえられていた。
釈放されたベポ達はおナミ達に会うがローの命令で捕まったことは伝えなかった。オロチに手配された
一行はそれぞれの手段で花の都を離れる。アシュラは討ち入りの為に用意した船を錦えもんに見せる。
その頃鬼ヶ島ではカイドウとビッグ・マム、二人の海の皇帝が激突しようとしていた。
おいはぎ橋で再び牛鬼丸と対峙するゾロ十郎だったが、河松によって制止される。兎丼はルフィ太郎と
仲間たちに完全に抑えられ秘密裏に反乱の一大拠点となっていた。錦えもん達は彼らの必要とする
ワノ国の刀や槍を集める必要に駆られる。そして牛鬼丸は今まで武器を奪った者たちから銃で撃たれる。
手負いの牛鬼丸を追ったゾロ十郎の前に現れたのは地下への入り口。そこは以前河松が鈴後の元大名
霜月牛マルの相棒、オニ丸(狐)と協力して集めた刀や槍の隠し場所だった。武器を奪う追い剥ぎ僧兵
こと牛鬼丸とは昔河松が盗賊に名乗った名であり、狐のオニ丸が人に化けた姿の名前だった。
巻九十四で判明した事
人造悪魔の実〝SMILE:スマイル〟の由来
シーザー・クラウンによって造られた【SAD】という薬品を用い、ドフラミンゴがドレスローザにて
トンタッタ族の能力(あらゆる植物を育てられる)を利用し、製造していた人造悪魔の実。
麦わらの一味と仲間たちによって工場が破壊された為、現在入手は困難(不可能?)。
自然に存在する悪魔の実と違い、食した者がその力を発現する確率は約10%程度とされる。
残り90%の者は、自然の悪魔の実を食した場合と同様泳げなくなる事は当然、他に〝笑う〟以外の
感情を表せないようになる。その状態を嘲笑うように〝SMILE〟と名付けられた。
百獣海賊団の戦闘員が属する3つのグループはその状態を表している。
えびす町の住人
笑うことで生きているように見えた町だったが、実際はオロチの策略によって笑うことしかできなく
なった町であった。オロチは失敗作であったSMILEの食べ残しを都のおこぼれに混ぜ、空腹に耐え
きれなかった人々を〝笑う者たち〟へと変えてしまったのだった。
さらに深まる居眠り狂死郎の謎
小紫(日和)を斬ったと見せかけ実際は逃していると思われるが、その辺り正確な事は今巻でも不明。
狂死郎も侍なので流桜の使い手であると思われるが、ヒョウじいの解説によれば、流桜を使う侍は
斬りたくない時には紙すら斬れぬようにできるらしいので、小紫にもそれを使った可能性が高い。
さらに今巻ではトノ康を殺され怒るゾロ十郎がオロチに向けて放った斬撃を簡単に防ぐなど、その
技量の高さを見せつけており自ら〝将軍の犬〟と名乗って将軍オロチを逃している。オロチを追う
ゾロ十郎に対しても行動を阻むように立ち振るまい、積極的に攻撃に転ずる気配は見せていない。
『やめておけ浪人!!』と発言するに留まる狂死郎に対し、ゾロ十郎は『何者だコイツ』という反応を
示している。やめておけという発言は〝今はやめておけ〟という意味にも取れるし、ゾロ十郎の
攻撃を簡単に防ぐ技量がありながら攻撃に転じてこない態度に『何者だコイツ』と思うのも、無理は
無いと思われる。
また〝将軍の犬〟という言葉も穿った見方をすれば〝光月家のスパイ〟という意味にも取れる。
確かなのはゾロ十郎に匹敵する剣の使い手であるという事だけだろう。
人斬り鎌ぞうの正体とキッドの行動
将軍オロチ配下の人斬りとして行動していた鎌ぞうだったが、その正体はユースタス・キッドの相棒
キラーがSMILEによってプレジャーズとなった姿だった。海楼石の手錠をされたまま逃走したキッド
だったが、変わり果てた相棒キラーと共に再び兎丼に連行される。
その後クイーンによってルフィ太郎の大相撲インフェルノのゲームとして加えられ、逆さ吊りにされ
水の中に顔を沈め殺されかけるが、記憶を失ったおリン=ビッグ・マムの乱入とその戦闘のドサクサで
なんとか九死に一生を得る。しかし麦わらの一味と馴れ合う事は良しとせずキラーと共に去った。
今後またストーリーに絡んでくるのだろうと期待するw
ゾロ十郎がモモの助に教えた剣術の掛け声『スナッチ』
巻九十三で登場した掛け声『スナッチ』は『名前も知恵も捨て頭を空にして飛び込め』という
意味を持つ言葉で『捨名知=スナッチ』という事らしい。玉砕覚悟の特攻という意味にも
取れるこの言葉は確かに将軍の跡継ぎたるモモの助が発するにはふさわしく無いと思われる。
ゾロ十郎が誰から教わったのかは相変わらず不明である。
巻九十四での状況を整理する
兎丼の状況
おリン=ビッグ・マムの襲撃と雷ぞう・カリブーの通信遮断によって大混乱に陥った兎丼。
クイーンが記憶を取り戻したビッグ・マムを鬼ヶ島へ連行する事を優先させたため、ババヌキを
はじめとする真打ちvsルフィ太郎の構図になる。
疫災弾による奇病ミイラを使用し、騒動を鎮圧しようとした百獣海賊団だったが、後先考えない
ルフィ太郎によってババヌキは倒され、武士の気概を取り戻した囚人たちは看守たちに反逆。
兎丼はルフィ太郎達によって占拠され反乱の一大拠点となっている。
戦いの後、奇病ミイラのウイルスはチョパえもんによって無効化され、侍たちもルフィ太郎も
回復する。ルフィ太郎がカイドウと同じく海賊だと知れると侍の中に動揺が走ったが、姿を
現したモモの助が事の顛末を話聞かせた事で、ルフィ太郎への信頼は回復した。
また、お玉の能力によってババヌキ達はお玉の命令に忠実になり、クイーンへ兎丼は異常なしの
報告を行った。兎丼には3500人を超える侍がおり、またヒョウ五郎親分を慕う四人の親分衆が
さらなる反逆者達を集める為に行動を開始している。
親分は登場していない。ヒョウじいも巻九十三第940話の最後の方で
『かつてワノ国を裏で支えた親分たちも・・・・・みなここにいる』と発言していた。
だがよく見てみると『みなここにいる』の前に何かを考えたように『・・・・・』が書かれていた。
これは何かの事情がある事の表現なんだろうか?
花の都の現状
刑場に乱入したことで〝忍者海賊ミンク侍同盟〟のほとんどがお尋ね者となり、人相書きが
出回っているようだが、それぞれの手段で検問をくぐり抜け九里へ移動中の模様。
また、牢にはオロチ・カイドウに叛意を持つ侍が1000名以上投獄されている状態である。
ベポ達ハートの海賊団も囚われていたが、ローがホーキンスに示した交換条件により釈放され
おナミに康イエが獄中で捕らえられた侍達に見せた新しい判じ絵を手渡す。しかし、ローが
百獣海賊団側に捕まった事は(ローの命令で)知らせなかった。
ローは仲間の身代わりとなって捕まり、反乱計画の全貌を知る者として情報を引き出すべく
拷問を受けている模様。ハートの海賊団は反乱計画よりもローの命を最優先と考え、別に
行動を開始する。
九里の現状
錦えもんとイヌアラシ公爵はアシュラ童子からこの20年間に起きたことを聞かされる。
光月トキが予言した20年後を待ちきれず、鬼ヶ島へ討ち入った侍たちは全員返り討ちとなった。
アシュラは今後のために(修理が必要とは言え)船をかき集め、さらにカイドウの屋敷の図面を
入手していた。錦えもん、イヌアラシ公爵は大いに彼を見直している。
その上、兎丼は完全に反乱軍の一部となり3500名以上の侍が味方となる。また懸念された武器
不足は河童の河松が先見の明で、鈴後にて元鈴後大名・霜月牛マルの相棒=狐のオニ丸と共に
集めておいた武器でその懸念を解消している。
さらに錦えもんは編笠村に拠点をうつすようである。編笠村と言えば今は刀鍛冶・天狗山飛徹が
いる場所であり、飛徹自身も『長く人を待っている』と発言(巻九十一:第912話)していたが
それは錦えもんやモモの助の事だったのだろうか。
鈴後の現状
奪われた秋水を取り戻すべく、忍者に追われる日和を守りつつ鈴後のおいはぎ橋へたどり着き
追い剥ぎ僧兵・牛鬼丸と再び相まみえるゾロ十郎。そこに兎丼を離れて単独行動をしていた
河松が現れ、両名を止める。
日和と再会した河松はその無事を喜び、日和と別れた後この鈴後で狐のオニ丸と共に武器を
集めていた事を話す。邪な目的で刀を奪いに来た本当の墓荒らしに〝牛鬼丸〟と名乗って
いたのは過去の河松だった。
追い剥ぎ僧兵の牛鬼丸が逃げた先には、大量の武器が隠された場所があった。その仕業に
オニ丸の事を考える河松だったが、どう見ても人の所業である。それは河松が捕らえられた後、
僧兵の姿に化けた狐、オニ丸が成したものであった。これにより武器不足の懸念は解消される。
ワノ国の刀神リューマの秋水がゾロ十郎の手にあると知った日和は、秋水をワノ国に返すように
ゾロ十郎に願う。秋水に代わり唯一カイドウに傷を負わせた名刀【閻魔】を託すと告げられる。
閻魔は亡き父おでんより日和が譲り受けた刀だった。
鬼ヶ島の現状
記憶を失ったまま、お汁粉を求めて兎丼に攻め込んだおリン=ビッグ・マム。クイーンを2撃で
気絶させるもすでに空だった寸胴鍋を発見し、おこぼれ町にお汁粉を持ち帰ってみんなで食べた
かったと意外と優しい一面を見せるw
それを食った犯人ルフィ太郎を、兎丼をも破壊しながら追い続け、クイーンの渾身の一撃を食らい
記憶を取り戻しビッグ・マムとして復活してしまうが、何故か眠ってしまう。
クイーンはその千載一遇のチャンスに海楼石を使ってビッグ・マムを拘束。鬼ヶ島へ連れ帰る。
鬼ヶ島で何十年か振りに対峙したカイドウとビッグ・マム。
『来れば殺すと言ったよな』『殺されに来るバカがどこにいる』拘束を解き、制限なしの
一騎打ちを始める両者の戦闘は、鬼ヶ島で続いている模様。
その勝敗は今後のワノ国にどんな影響を与えるのか。
巻九十四の感想
ルフィ太郎、侍たちに魂を取り戻させる
カイドウの圧倒的強さを目の当たりにして、心を折られてしまった囚人=元侍たち。
ババヌキが使った疫災弾・ミイラにその絶望的な状況を重ねていたが、ルフィ太郎はそれを
意に介さず『こんなもん全然効かねェ!!!』と突っ張って見せる。
奴隷と成り果てている囚人たちへの怒り、余所者がこの国を守って何が悪い、お玉とした約束を
果たす、おでんという男の凄さは知っているがカイドウに殺されこの国は止まったと言い、最後に
『俺たちはカイドウに勝ちに来たんだ!!! それを味方に邪魔される筋合いはねェ!!!』と叫ぶ。
いつも通りルフィは自身が正しいと思ったように行動し、周りの者を魅了し味方につけていく。
それはヒョウじいを花のヒョウ五郎に戻させ、囚人たちを侍たちに戻させる結果となった。
『とんでもねぇ助太刀を連れてきたな錦えもん!!』とヒョウ五郎に言わせる程に。
20年という時間が必要だった訳
光月トキが予言した20年後の未来。それを信じて生きてきた侍たちでさえ耐えきれずに玉砕する
程の長い時間は何故必要だったのだろうか。トキトキの実の能力者であるトキ様はその力で未来を
知っていたのではないか。それはやはりルフィ達麦わらの一味や、ロー達ハートの海賊団が力を
つけるために必要な時間だったのではないだろうか。
ワノ国編に置いて重要な要素【武装色の覇気】
ルフィ太郎とゾロ十郎が武装色の覇気をどこまで極められるかは、百獣海賊団および、将軍
オロチとの決戦において重要な要素であると思われる。
ルフィ太郎はギア4・弾む男(バウンドマン)を使用する際、身体を武装色で覆い固めてゴムの
張力を何倍にも高めている。カイドウとの初戦では弾む男による攻撃も全くダメージを与えた
ようには見えなかったが、武装色が鍛えられる事で何かしらの変化が生まれると思われる。
ヒョウじいによれば、触れずに弾く覇気=大きく外に纏う覇気も、内部に浸透し内側から
破壊する覇気も既に体得しているが、それを意識的に発動することがまだ出来ていないという
事らしい。
また、ゾロ十郎は刀身に武装色を纏わせて相手を斬る戦いを行っている(vsピーカ)が、鷹の目
ミホークとの修行中に聞いた『すべての刀剣は黒刀に成り得る』との言葉と、追い剥ぎ僧兵の
牛鬼丸が言った黒刀とは〝成る〟ものという言葉で、黒刀の成り立ちを理解しつつあるようだ。
ルフィ太郎とゾロ十郎はの二人が武装色を強化すれば当然戦いに有利であり、百獣海賊団との
決戦には必須であろうと思われる。日和が秋水をワノ国に戻す代わりに差し上げますと言った、
カイドウに唯一傷を与えた名刀【閻魔】が黒刀かどうかは定かではない。
しかし閻魔が常時黒刀であろうとなかろうと、戦いの際にゾロ十郎が武装色を纏わせて黒刀化
すれば良いだけであり、そういった歴戦で黒刀に成るのであれば、戦えば戦うほど刀は黒刀に
成長していくのであろう。
今後の展開で気になる点
兎にも角にも、鬼ヶ島への討ち入り準備は着々と進んでいる。カイドウの屋敷の見取り図や
侍が使える武器・船の問題も大体解決しつつある。残りの懸念事項は赤鞘九人男最後の一人、
傅ジローである。
大方の予想では居眠り狂死郎の正体が傅ジローではないかとされており、管理人自身もその
意見に大筋に置いて賛成である。まだ確定とは断定できないがw
さらにホーキンスに捕まったローと、それを救出しようと動くであろうベポ達ハートの海賊団の
今後の行動は決戦にどう影響するのか。
また、ルフィ太郎と馴れ合うことを嫌ったキッド&鎌ぞうことキラーの動きはどうなるのか。
仲間達を取り戻しに行く、と発言している以上カイドウとの戦いは避けられないと思われるが?
カイドウとビッグ・マムという四皇同士の真剣勝負は勝敗に関わらず、両者無傷という訳には
行かないだろう。これは今後の決戦において忍者海賊ミンク侍同盟に有利なポイントとなるのか。
決戦の日、火祭りの日は第950話の時点で8日後となっている。
次巻はパターン通りならば12月初旬発売といったところかw
週刊連載では何処まで話が進んでいるのか気になるところではあるが、やはり一気に読みたいw
よって巻九十五発売を待つのみなのである^ω^