【首都直下地震】NHKスペシャルから得た知識メモ:vol.1

TV視聴録
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今週関東地方では何度か大きめの地震があった。
12月3日に茨城県南部、4日には茨城北部と栃木北部。いずれも最大震度は4だった。
震度3まで含めれば、5日にも 茨城北部と栃木北部 で発生している。

地震は台風などとは違い、襲来する規模や時間は予測できない。長いスパン(30年以内など)に
70%の確率(南海トラフ地震に至っては80%)という予測しかできない状況で『自分が被災者になる』
という前提で知識と対策を準備しておくべきだろう。

体感 首都直下地震

NHKスペシャルという番組

NHKスペシャルという番組では災害関連の特集が結構多い。自分は災害関係の放送はなるべく
視聴するようにしているのだが、今回もやはりキーワード検索にヒットしていた。

今回のシリーズは実際に首都直下地震が起きたらという設定のドラマパートと、それを見たMCや
ゲストの方々がそれについて抱いた感想や、その対策について話し合うという形をとっている。

過去のNHKスペシャルに【巨大地震 MEGA QUAKE】というシリーズがあった(初回放送は2010年1月)。
その放送では長周期地震動や大津波など、その後の東日本大震災で実際に起きた現象も紹介されていた。

そのシリーズでも仮想ドラマという形をとって現象が紹介されていたものがあったのだが、今回は
ドラマパートが全面に出される形になっている。これは視聴している人を入り易くする配慮であろう。

発生する地震の想定

ドラマ内ではパラレル東京と呼ばれる仮想の東京で冬の平日午後4時4分に最大震度7の直下型地震が
発生したという前提で話が展開していく。
これは内閣府が想定する首都直下地震において最も被害が大きいとされる条件設定である。

【震源:都心南部直下】【規模:M7.3】【発生季節・時間帯:冬・夕方】【風速:8m/s】
【死者:最大23,000人】【負傷者:123,000人】【全壊家屋175,000棟】という想定

震源地は東京都であるとは限らない

自分もそうだったのだが【首都直下地震】と言われると東京都が震源であると思いがちである。
が、実際内閣府が想定している震源は19箇所。つまり関東近県が震源地となる場合もあるという事。
ドラマのように都心南部で発生するとは限らない。

揺れへの対策

想定では揺れによる全壊は約175,000(17万5千)棟とされている。経済的にも大変ではあるが、可能な
人はできる限りの耐震補強と、せめて家具の転倒防止などの対策はするべきであろう。
揺れの段階で怪我や、最悪死亡してしまってはおしまいなので。

帰宅困難者となった時の行動

首都直下地震が発生した場合、想定上800万人の帰宅困難者が発生するとされている。
その人々が一斉に動こうとすると危険が増すことがある。それは狭い箇所に大勢の人間が集中する
ことによって起こる【群衆雪崩】という現象。

日本では2001年明石市の花火大会で発生し、11人の方が亡くなり200人以上が怪我を負っている。
海外では一度に2000人以上の人が亡くなった例もある。都心部で被災した場合、周りの区は火災や
家屋倒壊のリスクも高いことを考えて、状況が把握できるまではむやみに動かないのが得策である。

東日本大震災発生時、都内は交通機関が麻痺し帰宅困難者が発生した。そのために歩いて帰宅した
方も多くいたはずである。が、地震の震源が首都直下(関東近県)であった場合は、あの時とは
状況がまるで変わってくる。

首都直下地震の場合、都心部周辺の区では家屋の倒壊や火災などが発生している恐れがある。
また、看板等の落下やブロック塀の転倒、自動販売機の転倒などの危険も存在する。
歩いて移動するにはあの時とは比べ物にならない危険がひそんでいると考えなければならない。

東京都の場合都心部はビルが多く、火災が発生しても延焼は少ないと思われるが、周辺の古く
からの木造家屋が密集する場所のある区では延焼により燃え広がる確率はかなり高い。
東京にはその地域=延焼運命共同体と呼ばれる地域が約70箇所存在するという。

つまり仕事や学校などで都心部にいる状態で被災した場合、無理に帰宅を急ぐと火災が発生して
いる場所に向かって歩いていく形になる場合も考えられる。
地震発生直後の徒歩による帰宅は相当な危険を伴うことを知っておくべきである。

最も恐るべきは大規模な火災の発生

大規模な火災の恐れ

地震直後数時間で800箇所を超える場所で同時多発的に火災が発生すると考えられている。
ポンプ車は区部に500台程度しかなく、しかも倒壊家屋や道路状況などで火元に到達できるとは
限らない。延焼が始まってしまうと止めようが無い訳である。

しかも消火作業というのは、左右からサンドイッチ状態で放水する必要があるそう。
そうしないと、放水の勢いで火の粉を飛ばしてしまい余計に延焼を招く事態が発生する事も。

想定死者数23,000人のうち、火災による死者が実に16,000人と想定されているほど火災の被害は
甚大であると予想されている。

火災による被害者の想定数が多いのは、火災が同時多発的に発生すると考えられるからである。
それによって鎮火が遅れ延焼が発生し、さらに【火災旋風】という現象が発生する危険性も
考えられている。

火災が同時多発的に発生し、延焼を食い止められない状況で続く場合【火災旋風】が発生すると
考えられる。火災旋風とは、大きな火災が同時多発することにより起こる竜巻のような現象。
炎を伴い赤い火柱のように見える 場合もあれば、黒い風のように見える場合もあるらしい。

その時の気象条件によって一定の場所にとどまらず不規則に動くとされる。
東日本大震災でも気仙沼で発生が目撃されている。大正関東地震(関東大震災)時には発生した
火災旋風で数万人の被害者が出たとされる。

万が一火災旋風に遭遇してしまった場合は竜巻と同様に、鉄筋の頑丈な建物に逃げ込み窓の無い
場所でやり過ごすしかないとの事。地下があればそこが一番良いらしい。
火災旋風の発生を抑えるためには、火災の発生を減らす以外対策は無い。

地震発生時の火災

通常時の火災と違い消火活動が困難である。出火場所は同時多発的であり、またそこに消防が
たどり着くのも、道路の損壊や建物の倒壊などで困難かもしれないし着いたとしても断水が
発生している可能性もある。

想定では最大で2日間燃え続けるとされている。阪神淡路大震災では実際に2日間火災は続いた。
消えたのも消火できたわけではなく、焼き尽くしたから消えたという事らしい。
地震の際は火事を出さない事、【初期消火】がとても重要となる。

初期消火の重要性

地震発生の時間帯にもよるだろうが、食事の準備中などで火が出てしまうことも考えられる。
その際冷静に消火するためにも消化器の準備は必要だろう。また、準備だけでなく使い方の確認や
設計標準使用期限を確認することも忘れないようにしなければならない。

消化器の使い方は、一度くらいは見たことがあるだろうが改めて確認しておいた方が良い。
今はYoutubeなどに動画が上がっているのでインターネットで『消化器 使い方』と検索すれば
いくらでも見つかる。

大まかに言えば
(1)レバーの上のピンを抜く、(2)ノズルを火元に向ける、(3)強くレバーを握る
で消火剤が噴射される。

避難は早めに行う

地震の揺れが収まった後、近隣で火事が発生していないかを確認する。
火災の延焼速度は東日本大震災で猛威を振るった【津波】と違い、人間が歩く速度より遅いとされるが
地震発生時の火災はどのように広がるかわからない。

また、避難する場合にも避難場所と自分がいる場所の間で火災が発生している可能性もあるし、
避難しようとしている人が増えれば増えるほど動きが取れなくなる可能性も高まる。
自分の周りを確認し複数の煙などが確認できた場合は即行動を開始するに越したことはない。

都心部で被災した場合は延焼の可能性は低いが、ビル火災なども発生する危険性は考慮しておく
べきであろう。 火は横への動きは遅いが上への動きは早い。ビルなどで被災した場合は階下の情報にも
気を配る必要もある。

地震発生から時間経過後に発生する火災

地震による火災の危険性は何度も出てくるが、地震発生直後から時間が経つに従って発生する火災が
【通電火災】である。通電火災は阪神淡路大震災や東日本大震災での火災発生理由の6割を占めるという。

地震により、倒れた家具などでコンセントやケーブルなどに損傷を受けた電化製品が、通電によって
ショートや過熱を起こし、出火するというもの。その場に人がいれば止められるかもしれないが、
避難によって留守宅になっている場合、火災となってしまう。

通電火災を防ぐ一番の方法は、避難する際に自宅のメインブレーカーを落としておくこと。
ただ、被災時の混乱によってブレーカーの落とし忘れが懸念される場合、感震ブレーカーという装置を
予め取り付けておくという方法もある。

感震ブレーカーは機能内蔵タイプ(5万円程度)のものから簡易タイプ(揺れによって重りが落ちレバーを
落とすものなど:数千円程度)があるので予算に合わせて検討しても良いのではないだろうか。
ウチも簡易タイプくらいは付けておこうかな^ω^;

長くなってきたので続きは次回とする。
 

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